午後10時の就寝が心血管発症リスクを低下させる?

イギリスのバイオバンクの登録者(37~73歳)の約88000人を対象に睡眠開始時間が心血管発症リスクと関連するのか平均5.7年間追跡調査した研究(European Heart Journal –Digital Health 2021)が報告されていた。

睡眠開始時間を10時前に睡眠開始、10:00-10:59に睡眠開始、11:00-11:59に睡眠開始、12:00以降に睡眠開始の4つグループに分けて検討した。そして、心血管疾患の発症(心筋梗塞心不全、慢性虚血性心疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作)との関連を検討した。

その結果、10:00-10:59に睡眠開始、11:00-11:59に睡眠開始、10時前に睡眠開始、12:00以降に睡眠開始の順に心血管疾患発症リスクが低かった。

睡眠時間、睡眠不規則、心血管疾患危険因子等で調整しても10:00-10:59に睡眠開始している人に対して、11:00-11:59に睡眠開始は12%、10時前に睡眠開始24%、12:00以降に睡眠開始25%も心血管疾患の発症リスクが高かった。

性別で比較すると、男性は10時前に睡眠開始のみ有意に12%の心血管疾患の発症リスクが増加することがわかった。女性においてより顕著で、10時前に睡眠開始で34%、12時以降に睡眠開始で63%も有意な心血管疾患の発症リスクが増加することがわかった。統計学的には有意ではないが、女性で11:00-11:59に睡眠開始は18%の心血管疾患の発症リスクが増加する傾向にあった。

 

この研究の結果から、女性は睡眠開始時間が心血管疾患の発症リスクに影響する可能性があるので、10:00-10:59に睡眠開始ができるように夫婦で家事を分担すること重要という見方もできます。男性は疲れていても10時前に寝ると心血管疾患の発症リスクが高くなる可能性もあるので、家事を分担して夫婦で10:00-10:59に睡眠開始できれば良いのかなと感じました。