筋力トレーニングの運動強度はどのようにして決定すべきか?

私たちが筋力トレーニングを行うときに運動強度はどのように設定すべきなのかについて述べたいと思います。

 

1RMとは

1RMの測定方法

1RMから見た目的別の運動強度の設定

 

1RMとは

筋力トレーニングにおける運動強度を決定する際に1RM(1 repetition maximum)という概念が非常に重要になります。1RMとは1回しか動作を行うことができない最大重量のことを言います。%1RMは1RMの何%の強度に当たるかを示します。例えば、ベンチプレスで60㎏を1回しか上げることが出来ない場合に1RMは60kgになります。この時の%1RMは100%1RMになります。

 

1RMの測定方法

大きく分けて2つが挙げられます。1つ目は1回しか上げられない最大重量を測定する方法です。しかし、これはなかなか決定するのが難しい側面があります。もう一つは、あらかじめ決めた重量を何回反復できるかでおおよその1RMを決定していく方法です。

%1RMと反復可能な回数を示します。100%1RMは1回、90%1RMは5回、80%1RMは8回、70%1RMは12回、60%1RMは17回と言われています(Dingwall H. Exercise Leadeship in cardiac rehabilitation 2006;97-131.)。例えば、54kgを5回しか反復できない場合は90%1RMであることがわかります。この時の1RMは60kgです。

 

1RMから見た目的別の運動強度の設定

運動強度別の目的について述べます。まず、高強度とは<6回の反復回数で%1RMはおよそ90%以上、中等度は8~15回の反復回数で%1RMはおよそ70~80%、低強度は16回以上の反復回数で%1RMは60%以下を指します。高強度は筋力増強の目的、>15回は持久力向上が主たる目的となります(Williams MA. Circulation 2007;116:572-584)。すなわち筋力増強目的の場合は5回程度しか反復できない90%1RM、持久力向上目的の場合は17回以上反復できる60%1RM以下に設定していくこととなります。

 

以上、運動強度と目的について簡単に述べました。